活字(整理)部
先日、約1年ぶりに上京していました。
上京に際していろんな目的を掛け合わせ、連日いろいろ見たり人とあったりしてきましたが、そのなかで、活版印刷所にも数ヶ所寄りました。
お伺いしたのは3箇所。
順番に佐々木活字店さん、中村活字さん、LUFTKATZEさん。
縁あって去年出逢いました。
その時のこと、実は中村活字さんのブログに少しご紹介していただいています。
で、短いコメントがあり、「活版(整理)部」とあります。
今日は、このことについて少しご説明をさせていただきます。
これ、なんで「整理」かというと、整理が必要だからです。
去年作ったレターセットの便箋は、活版印刷で刷っていただいています。
その会社は、古くて小さい会社です。
(個人的には良い味出していると思っています)
八戸にも活版印刷が残っていることを嬉しく思いましたが、お話しを伺っていくと、少し問題があることがわかりました。
それは、過去の地震で活字が落ち、整理されて棚に戻されていないということです。
(こういう会社、たぶんたくさんあると思います。こういう会社のなかには廃業されるところもあるんだと思います。
ちなみに、こちらの会社は活版での増刷には出来る範囲で対応されてますし、他にもオフセット印刷等もできます)
欠けて使えない活字があるかもしれないし、無い文字もあるかもしれない。
せっかく道具や機械が残っているし、刷る職人さんも良い方がいらっしゃるのに、難有りと知り複雑な気持ちになりました。
そこで、勝手ながら、どうにかしたいと思うようになりました。
ただし、もし一人で整理できたとしても、地方で活版を続けることはビジネス的に難しいかもしれない。
どうしたらいいものかを考えました。
結論としては、イベント的に活字整理を呼びかけ、手弁当でみんなで楽しく整理していったらどうかということです。
その過程で関わった人はいつかは自分でも刷ってみたい(お願いしたい)と思うでしょうし、それで刷ったものをもらった人も興味を持つかも知れない。
もし活字の整理が大変ならば、途中でワークショップで刷る体験を挟むなどの工夫をすればいい。
また、活字の程度がどのくらい大変さが(今も)わかっていないので、やりながら落とし所を見つければいい。
そして、もしかしたら活版を習いたいというような、後継者も出てくるかもしれない(という淡い期待)と思うようになりました。
そこで、フン模様のアイテムと活版印刷で刷ったものを掛け合わせて出すことで、八戸に活版印刷が残っていることを知っていただく機会を作ろうと思いました。
そういうことを考えながら作ったのが「Fun Letter フンレター」です。
刷ってくださった印刷屋さんは、便箋のお話しを喜んで下さったと知人が教えてくれました。
(今は、活字整理を本当にやるの?と言っているとも聞きます。きっと、大変さを知っているから・・・)
話しは戻りますが、だから「活版(整理」)部」なんです。
こんなことを勢い言い出したにも関わらず、僕は活版の知識が少ないです(本は見てましたが)。
また、欠けた活字があるとすれば、補充する必要があります。
活動をするにあたって、活版印刷をされている方からいろいろ教えていただいたり勉強する必要があると思いました。
そういうことで、何かにとりつかれるように地元の印刷屋さんに話しを持ちかけ、東京に行っては話しをしてと、勝手に進めてしまいました。
(今は印刷屋さんも「やってみましょう」という感じです)
実際の活動はもうすぐ。暖かくなってきたら始める予定です。
幸い、このお話しをした数人からは、印刷の仕事ではない方からも声を掛けて欲しいと言っていただいています。
(僕としては、何か人の役に立つような「きっかけ」が欲しかったんじゃないか、とも思っています)
時間はかかるかもしれませんが、活版印刷を静かに残していきたいので、(勝手ながら)頑張ります。
また、「Fun Club フンクラブ」のアイテムの制作協力会社には、樹脂版やエンボス・デボス・空押し加工のできる会社もあります。
こういった質感を出せる印刷を、いろんな人と育てていきたいと思っています。
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