1/15-1 倉敷-1
今回の旅で絶対行ってみたかった街、倉敷。
「民藝とくらしき」を読んで、わずかながら予習はしていたものの、あまりにもいろいろありすぎるので、倉敷ウェルカム観光ガイドの無料観光ツアーを利用させていただきました。
なので、朝はそのツアーの時間まで、街を歩いてみました。
最初に見たのは倉敷中央病院。
書籍でも紹介されています。
現在の建物は1973年から順次再建されたもの。
病院内には芹沢銈介などの民藝派の作品が組み込まれているそうです。
少し外来を歩いてみたのですが(すみません)、建物が西洋風で中庭のような空間がありました。
そこで自販機があってお茶が飲めるのですが、観葉植物も生えていて、携帯電話OKのえりあでもあって、そういう空間を設けていることだけでも、なんだか面白そうな、一度入院してみたい(いや、みたくないかも)と思わせるものでした。
その後鶴形山公園で阿智神社を参拝し、地元建築家である浦辺鎮太郎さんが設計した倉敷市民会館と倉敷市芸文館を見ました。
残念ながら前者の建物は耐震補強工事中でしたが、どちらも派手さはないけれど、街にしっくりくる建物だと思いました。
その後、時間になったのでガイドツアー集合場所に行きました。
この日はツアー参加者は僕一人。
対応して下さった方は、若い女性の方でした。
最初不安だったんですが、気さくな面白い素敵な方で、楽しく街を歩けたので、むしろ二人で良かったと思いました。
ガイドのルートはホームページに記載している通り。
やはり、初めての街でただ行きたいところに行って見るよりも、地元の方に案内してもらった方が面白いです。
ツアー最初の方に見たのは倉敷国際ホテル。
国際ホテルなのに低層なのは、周りとの景観を考えてなのだそう。
そしてこのホテル、建物も良いのはもちろん、吹き抜けのロビーには棟方志功の巨大な版画があるのも見所のひとつ。
地元青森県が生んだ版画家が、遠く離れた倉敷の地で、こんなにも大事にされていることを嬉しく思いました。
と同時に、これまでは地元で彼の作品を見てもピンときませんでしたが、ここでは空間に作品が合っていて、輝いて見えました。
ガイドツアーでは、美観地区を散歩しつつ、ちょっと脇道にそれ、見晴らしの良い場所を教えていただきました。
それが一番上の写真。
下の写真もまた、おつなアングル。
そして、倉敷の屋根の特徴のひとつで、植物がにょきっと生えてます。
これ、ツメレンゲと言うそうです。
木の屋根の上に土を敷いて、その上に瓦を敷いているために生えてくるのだそうです。
また、屋根の一番手前の円型の部分に模様がありますが、そこの周縁にある玉は12個あって、それが・・・で・・・。
そういう話しを聞いていると面白いですよね。ところどころ忘れてしまっているんですが・・・。
長いのの間に短いのが3つ。
これが倉敷格子だそうです。
楽しく一時間半くらいのツアーを終え、ガイドさんに別れを告げてお昼を食べに行きました。
行ったお店は三宅商店。
倉敷を知る知人みんなから勧められたお店です。
お昼は行列が出来るそうですが、幸運にも僕が行った時は大丈夫でした。
静かにお昼のカレーセットでカレーとケーキ、コーヒーをいただきました。
料理も美味しいし、店内も落ち着いて良いですが、個人的にはトイレも落ち着いて好きでした。
良いお店は、トイレも素敵です。
マスキングテープと三宅商店が発行する冊子「暮らしき」を購入しました。
商品を入れる袋、マスキングテープでとめてて、こういうの嬉しいです。
三宅商店を後にして、そのまま本町通りを散策。
平翠軒は、なんだかマニアックな食材が揃いそうなお店。
BAISTONEは倉敷の帆布製品店。
革も良いけど、帆布も大好きです。
今度は倉敷川沿いを散策。
旅館くらしきは、棟方志功が倉敷に来た際に、よく泊まった旅館だそうです。
昔は川が海まで繋がっていて、船がここまで来て物資を運んでいたそうです。
大原美術館隣の北田証券は、前の黒板に月一で経済状況を手書きで書いているのだそう。
熱い!
そして、その塀の木の部分には、黒い縦のラインが入っています。
これは、釘を少しだけ木から出していて、その水が板を下に落ちていったときに縞模様になるように、と計算されて作られているのだそう。
倉敷の街の礎を作った大原家の住宅。
その住宅の前には今橋。
橋の彫刻は児島虎次郎氏のデザイン。
龍の彫刻が彫られていて、内側は線彫り、外側は浮き彫り。
さらに、三つに分けられた絵のうち、真ん中のものだけ龍が正面を向いていること。
そして、菊の絵も上に向いて彫られていて、皇室のマークと似ているので、わざと少し違わせているのだそう。
有隣荘は、黄色い壁と緑の瓦屋根が特徴。
お金、かかったでしょうね。
こちらもこだわりがあって、壁の木の板が、下の石の形状に合わせて切られているのだそう。
大原美術館隣のCAFE EL GRECO。
こういうカフェ、行ってみたいです。
倉敷市立美術館(旧倉敷市役所)
設計:丹下健三 1960年、1983年(改装)
やはり、公共建築は街の顔になるもの。
公共建築が良い街って、いいですね。
コメントを残す