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2009-01-23

1/16-2 出雲民芸館

出雲民芸館 1
出雲市駅の隣、西出雲駅から徒歩10分ほどのところに出雲民芸館はありました。
建物は、この地方きっての豪農、山本家の建物に、倉敷民芸館初代館長である外村吉乃介氏の指導で改装と整備をほどこしたもの。
豪農とはいうものの、この地方の特性なのか、質素で全く派手さのないたたずまい。


出雲民芸館 2
出雲民芸館 3
民芸館は、本館と西館二棟で構成されていて、まず本館を見学。
続いて西館を見学。
出雲民芸館 5
出雲民芸館 4
日本民藝館や倉敷民藝館と比べると、見やすいというのが率直な感想です。
というのは、上記ふたつの民藝館が洗練されているのに対し、こちらはもっと庶民的というか、生活に根ざした感じがします。
特に、陶器の器だけではなく、農具やテキスタイルのもの、箪笥、団扇など、数は多くはないけれど、扱っているものの範囲も広いのも、気楽に見られると思いました。
この後で、温泉津や石見銀山でも強く感じたのですが、この地方は「生活」「暮らし方」ということを、本当に強く感じました。
派手さはなく、質素。
そして、倉敷もそうだったんですが、こちらはもっとチェーン店が無い。
「東京から遠く、東京は東京。この地方には、昔から今も変わらず続いている暮らしがあって、これからも続いていく」
なんか、そういう風に僕は感じました。
そして、だからこそ、この民芸館やこの地方の暮らしを見て、「暮らし方」を考えずにはいられない。
かなりショックでした。
最初は、受け入れたくないという否定する感じ。
でも、時間とともに、むしろ大事だと思うようになりました。
今だからこそ、この地方から学ぶべき事はたくさんある。
パンフレットにも書かれていました。
「民芸館はいたずらに昔をなつかしむ骨とう品の陳列場ではなく、私たちの暮しを美しくよくするにはどうすればよいかという考えや眼を養うための本当の暮らしの根城なのである。」
僕もそういう考えが少なからずあるのですが、民芸の品をみて、スタイルとして良いとか、おしゃれとか思う時があります。
でも、それはかなり軽薄だと思います。
民藝品には、ものと同時に暮らし、さらは暮らし方、その人の生き方、哲学、購買活動、経済など、ものを超えた社会のあり方も関係していると思います。
まずは民藝品を持つこからはじめてもいいかもしれませんが、それをきっかけに、私たちの暮らし方、社会を考えることが、本当に民藝を知る第一歩だと思いました。
パンフレットには、民芸館の性質として8項目書かれています。
・民衆的なもの
・実用的なもの
・数多く作られるもの
・安価を旨とするもの
・健康なもの
・簡素なもの
・協力的なもの
・伝統に立つもの
どこかで聞いたことがあるような項目が並んでいます。
つい最近まで私たちが忘れていただけで、ずっと昔の人はこのことに気付いていた。
出雲民芸館、そして出雲の土地では、相当のショックを受けました。
出雲民芸館 6

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