toggle
2008-12-07

デザインにできること

海底古木
目黒のCLASKAで行われた縄文古木作品展示&最終審査を見てきました。


この雑誌と連動したコンペでは、一次審査を通過した方々の現地見学会が9月にあり、ご厚意で僕も同行・見学させていただきました。
ですから、途中からではありますが、勝手ながらこのコンペの進展を身近に感じながら見させていただいてました。
このコンペは、2007年に起きた新潟沖地震により海底より表れた海底古木が地元漁業者を悩ませているというニュースを見た編集長が、何かできないだろうかと思ったことがきっかけだそうです。
「たくさん水揚げされた古木で何かをデザインする」、そして、もしかしたら作品には反映されないかもしれないけれど、現地見学会を行い、町を見て歩き、歴史を知ってもらい、そのうえで製作していただく。
そのプロセスが、と僕はても興味深く思いました。
これからの社会のなかで、デザイナー・建築家のようなアイデアをかたちにできる人が社会に貢献できる、新しいあり方のひとつかもしれないと思いました。
現地で古木を見て、なかなか加工しにくい厄介なものだと思ったので、その古木を使った作品を見て、もうそれだけでもすごいと思いました。
また、実際製作された方のプレゼンを聞いて、ただ作品を見たときよりも、作品にストーリーが加わって深みができ、面白く感じました。
ものが使いやすいことや好みの色・かたちであることも大事です。
でも、製作者の顔が見え、その方との信頼関係が構築できたなら、その方が作るものは絶対大事にする。
愛着を持ってものを大事に使うということは、顔の見える製作者との信頼関係が、とても重要なのではないかと思いました。
最近では、企業の広報の意見ではなく、企業に務めるデザイナー自身の声を伝えることの必要性・重要性も言われてきています。
大量生産でも、デザイナー自身の顔が見え、自身がデザインしたものについての想いが発信されることも重要ではないかと感じました。
ただ同行し、見させていただいただけではありますが、とても貴重な体験をさせていただけたと思っています。
どうもありがとうございました。

関連記事