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2005-03-11

shang-hai story 09 終章

帰国した日の夕方、僕は大学へと向かった。
大学では、台湾から来ている留学生がいる。


レイレイとライライと一緒にいるときに一緒に考えて買ったお土産を差し出した。
1箱8個入りで8元。
安い。しかし、コンビニとかで売っているポッキーとかの日本のお菓子は10元くらい。
それを考えると、中国製でこの値段は妥当だと考えていた。
しかし、その友達は、
あ、これ30年前の台湾にあった。
・ ・・。
とりあえず口へ。
うっ。
言葉を失った。
後日、自分の所属する研究室に行った。
そして、ここでは別のお土産を渡した。
1箱8個入りが2箱セットで20元。
学生が居ないので助教授2人に渡した。
そして、その後自分で味見をしてみた。
うっ。
またしても僕は言葉を失った。
こんなん誰にもあげれないよ。
そして僕は思った。
今年、僕の所属する研究には中国からの留学生が居た。
彼女は以前、中国のお土産を買ってきたことがある。
普通にまずかった。
みんなであんなの買ってきたのはわざとだろ、と噂した。
しかし、僕も同じだった。
そう、中国は物価が安いからとお土産にそれ相応の値段しか払わないと、それ相応の味しかしない。
お土産はもう一つ残っている。
父のために買ったワインだ。
向こうでは普通にコンビニでも売っているワイン。
Dynasty Red Wine
以前Casa Brutusで中国特集したときに紹介されていたやつだ。
本ではなかなか評価が高かったものだから、きっと味は悪くはないと思う。
頼むから、おいしくあって欲しい。
もう、こりごりだ。
僕は3月4日に帰国した。
そして、翌日から5日、6日、9日、10日と4日間、合計31時間バイトで働いた。
これで、ようやくぼられたぶんは取り返しただろうか。
切ない。
日本に帰ってから疲れがとれない。
精神的なものが大きいのだろうか。
バイトが一段落付いたこの前の金曜日、僕はデータ復元ソフトを7000円で購入した。
レイレイとライライやお店の写真などをデジカメで撮っていたが、デジカメとカードの相性が悪く、カメラがエラーを起こしてデータが消えてしまったのだ。
復元ソフトのトライアル版で復元できるかどうかを判別し、復元できることがわかったとき僕は喜々とした。
このソフトさえ使えばあいつらの写真を取り出せる、そしたら領事館に送りつけられる!
うまくいけばお金が戻ってくるかもしれない、そう思った。
それに、ソフトも秋葉原に持って行って売れば、そんなに損失はないと思った。
僕は急いでソフトを購入し、復元を試みた。
しかし、なぜかその事件のあった時間帯の写真だけが復元できなかった。
その前後の写真は復元できたのに・・・。
何かの呪いだろうか?
写真を復元できなかった上、昨日秋葉原に持って行くと、これはあまり売れないからねぇ、と当初の予定よりも破格の安値で売れた。
たった1500円。
ソフトにかかった金額、差し引き5500円。
僕はレイレイとライライを無視していれば、約30000円無駄に使わずに済んだことになる。

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