happi Tokyo Station
先日、東京駅行幸地下通路(丸ビルと新丸ビルの間の地下通路)で開催中のhappiの第二回目の展覧会を見てきました。
happiは、五十嵐久枝、榎本文夫、小泉誠、寺田尚樹、南雲勝志、藤森泰司、村澤一晃、若杉浩一(以上敬称略)のプロダクト、インテリア、建築、環境などの幅広い領域で活躍する8人のデザイナーを中心に、デザインの本質を考え、行動を起こし、世の中に提案する場であり、批評や勉強を継続的に行える場として発足。
8人のメンバーが毎年順番でディレクターを努め、テーマに沿ってメンバーそれぞれが創造的なデザインワークを展開している活動体で、今回の展覧会はその2回目です。
今回の展覧会では若杉さんがディレクターを努め、「musubi,musubu 結びのデザイン」というテーマのもと、4チームに分かれ、ITを活かし、人とモノと空間の新しい結びつきについてデザインしています。
ちなみに、私こうさかは、前回(2005年)に行われた第1回目の展覧会でサポートスタッフをやらせていただきました。
今回の展覧会は・・・順番にいきましょうか。
team1 鉄結
南雲勝志+藤森泰司+JR東日本研究開発センターフロンティアサービス研究所
こちらのチームでは、無人駅に焦点を当て、駅を中心として地域と企業、鉄道事業者を結ぶデザインを考えています。
提案内容は、ITかかしや、ユニットで構成される駅舎、そして駅のベンチ。
実際今回の提案に当たり、千葉県にあるJR久留里線馬来田駅をモデルケースとして、ITかかしのプロトタイプを製作、数ヶ月設置して利用状況を調査しています。
今後も他の駅でも同様に設置して利用状況の調査を予定しているそうです。
ワールドビジネスサテライトの動画はわかりやすいですね。
率直な感想として、すごいのひとこと。
こういうところにこそデザインが必要だし、問題を解決するための有効ないち手段となりうると実感しました。
とても社会性のある提案です。
今後、ITかかしが他の駅で設置された際は、行ってみようと思います。
また、かかしの他のベンチや駅舎のデザインも、地域の風景になじみそうな落ち着いたデザインで、上質なふつうで素敵でした。
このチーム、オフィシャルサイトが出来るほど力が入ってます。
team2 Natural
榎本文夫+寺田尚樹+株式会社日立製作
日々オフィスの中で仕事をしていると、外の天気や時間変化などから切り離され、自然を感じることなく働いています。
そのような環境で働くことによって、私たちは知らず知らずのうちに、人間が本来持っている生体リズムを崩していたり、バランスを崩しているのではないでしょうか。
このチームはオフィスのテーブルに焦点を当て、ITの技術を利用して、自然のやすらぎを感じられる、心を豊かにするデザインの提案を行っています。
僕は、下の写真の提案がとても好きです。
テーブルの上に木が植えられていて小さな小さな森になっており、やわらかくしきりをつくっています。
そして、木は違う場所に植え直せるので、自分の好きな場所に、好きなサイズでスペースをつくり、作業することができます。
この木、なんだかいろいろと文具を掛けたくなります。
ほか、全4案の提案がされています。
team3 Pause
小泉誠+村澤一晃+日本サムスン株式会社
木で何かつくったらものすごいお二方が提案するのは、「ちょっと立ち止まって見る」もの。
ITによって生活は豊になったけど、でも、知らず知らずのうちに失ったものもあるはず。
勉強しなければならないことが増え、逆に忙しくなったとか、どんどん買い換えないと、とお金がかかったり。
もちろんそういうこともあるけれど、人間が本来持っている感覚が失われつつあることも、ちょっとこわい。
そこで、デザイナーと木工職人が一緒になり、実際自分の手を使い、作りながら「記憶をしまう箱」を提案しています。
会場にはデザイナーの他、サポートスタッフなどのたくさんの方の提案があり、それぞれがどんなことを考え、どんなものを提案したか、見応え十分です。
この提案、次回は「感触を楽しむ道具」を作る予定で、数年かけて立ち止まって考えることの意味を見いだしていくそうです。
team4 コドモトモ
五十嵐久枝+大治将典+株式会社内田洋行
このチームが注目したのは、子ども。
働くお母さんが増える中、子どもと社会の結びつきをテーマに、家庭と企業と社会が支え合って子どもを育てていけるシステムの構築を、ITとデザインの両面から探っています。
主な提案は、子どもの健康状態を把握できるような体温計と、保育園などで使う子供用家具。
特に後者はプロトタイプを製作し、子ども達に遊んでもらって、実際の使い方を調査したそうです。
会場にいるサポートスタッフに伺ったところ、下の写真真ん中のパーテションについてのお話が面白かったです。
デザイナー予測外の使い方をしたそうで、しかも素材によって遊び方が異なったのだとか。
子どもは、面白いですね〜。
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