八戸えんぶり手ぬぐい2018
八戸の地サイダー「みしまサイダー」でおなじみの八戸製氷冷蔵さまが、「三島サイダー 〜えんぶりバージョン〜」を新たに発売されました。
三島サイダー(シトロン、バナナサイダー各1本ずつ)を八戸えんぶりをデザインしたてぬぐいで包み、「みしまサイダー」の刻印入り栓抜きをつけたセット商品です。
今回私は、そのてぬぐいのデザインをさせていただきました。
お話しをいただいてご提案させていただいたのは、えんぶり組の紋を配置するアイディアです。
帰省以来えんぶりが魅力的なものと気付き、お祭り期間中はできるだけ見てきました。
各組で摺りや舞、お囃子は似ているようで、実は微妙に異なることを知り、奥深さに興味を覚えました。
更に、例えば日計(ひばかり)、櫛引上、尻内、福田上、売市などの組は太夫の羽織に絵柄がありますし、石堂には幾何学模様が描かれ、荒谷や玉掛はラインが入っていたり、塩町はえんぶりには珍しい明るい青で、デニムや藍のように色落ちした風合いがあり、十一日町や横町は数少ない緑だったり、山道は小さい玉がたくさん織りこまれている羽織だったりと、烏帽子の絵柄だけではなく、えんぶり組の衣装も美術的な価値があると思うようになりました。
そのなかで、えんぶり組に家紋のような紋がある組が多いことにも興味を持ちました。
家紋は日本の伝統的なものであると同時に、デザインの視点で見ても、単純化されてモダンな素晴らしいものです。
えんぶり組の紋にも、良いデザインが多いのです。
今回の仕事で、初めて全ての組の紋を調べたところ、意外にも八戸えんぶりに参加する全ての組に紋があることがわかりました。
武田菱関連の紋が多かったり、組同士関係があるのか考えたくなるような紋もあり、紋を見ながらえんぶりの歴史や各組の由来など、想像をめぐらす楽しみもあると思いました。
紋のデータ化作業は、これまでに撮りためた自分の写真から、紋が出来るだけきれいに写り込んでいる写真を探しました。
その部分をアップにしてゆがみを出来るだけ補正し、それをトレスする、という作業の繰り返しでした。
意外にたくさんの組のを自分で撮っていて、「俺すごい」と少し自分に感心しました。
そのなかで、どうしても自分の写真に無い組があったので、ブロガーでえんぶりもたくさん撮られている「進め!八戸せんべい汁推進委員会」のなかちっぱさんに画像提供をお願いしました。
特に隣町の百石えんぶり組は、百石えんぶりのお祭り以外は八戸えんぶりの最初の行列でしか見れない組で、僕はまだ見れてませんでした。
なかちっぱさんが撮られていて本当に助かりました。
今年の八戸えんぶりには33組が参加しますが、紋が重複する組があるので、紋は31種類あります。
全ての組に紋があり、仲間はずれが出なくて良かったです。
尻内は現在お休み中だそうですが、売市の紋と同じでしたので入れさせていただきました。
尻内には是非復活していただきたいですし、これからも、どの組も欠けることが無く続いていって欲しいと願っています。
ちなみに、組の方への紋の確認は八戸観光コンベンション協会の方のご協力をいただきながら進めました。
大半はえんぶり全体会議の際に確認しましたが、それでもすごく大変だったと思います。本当に感謝感謝です。
しかし、最後の組のOKをいただいた時は涙もので(どの組が最後だったかは内緒)、心の中でファンファーレが鳴り響きました。
ちなみに、確認の際に「これうち?」と驚かれたのが櫛引上。
私は、組の大きな旗にある紋をトレスしたんです。
後で他の写真を見たら、確かに中の丸に武田菱のようなシンプルなのが前掛け等に印刷されているんですね。
でもOKしていただきました。
糠塚とともに稲が紋に描かれていて、えんぶりが豊年祭であることを想起できる紋が2つあって良かったです。
また、中居林と鳥屋部は丸に三ツ星の紋ですが、中居林の方は丸同士がくっついていたので最初分けてました。
が、確認していただき、鳥屋部のと一緒でOKということで一緒にしました。
一方の大久保と平内は丸に梅鉢の紋ですが、中央の丸のまわりの処理が微妙に異なりました。
これは分けたままで良いですよね、と確認した結果、別々でOKということに。
こだわりなのか、そうでないのかの判断、やっぱりそれぞれ確認して良かったです。
ちなみに、中央のえんぶりのイラストと文字も、私が描いています。
大きいイラストは、どうさいえんぶりの中でも動作が力強く、いわゆる「えんぶり」的なイメージが強い仲町えんぶり組の摺り(2014年の写真)が元です。
烏帽子の中の恵比寿様のイラストは、また別な組です。
小さいイラストはながえんぶりで、横町えんぶり組の畔留めです。
顔の表情が若干蛭子能収さんのイラスト風になったのは、ご愛嬌ということで。
ながえんぶりなので、牡丹の花を烏帽子につけることも勧められ悩みましたが、それは嘘になるかと思いやめました。
サイダーとのセット売りに付いてくる栓抜きも、セットのものと思うなかれ。
うみねこマークとみしまサイダーの文字が刻印されている、燕三条産のものですよ。
シンプルですが、必要十分なクオリティがありお得です。
単品売りの方のてぬぐいに巻いている紙の帯は、グレー地に白抜きの水玉模様にしました。
てぬぐいの濃紺とライトグレーは合いますし、雪が舞うイメージで水玉模様にしています。
我ながら地味にオシャレに仕上げられました。
このような季節のものはどのくらい売れるか反応が読めず悩むのですが、地元新聞2紙にも紹介していただき、好発進をきったようで安心しています。
地元の人だけではなく、えんぶりが好きな方、えんぶりをこれまでにご覧になった方、歴史が好きな方などにも興味を持ってもらえるものと思います。
是非サイダーと一緒にご購入いただいたり、お土産として勧めていただいたり、はたまた出張の際の八戸からの手土産としてご活用いただければ幸いです。
【商品概要】
・「三島サイダー 〜えんぶりバージョン〜」(税込1,500円)
[セット内容]
三島シトロン、みしまバナナサイダー 各1本(330㎖)
八戸えんぶり手ぬぐい1枚
オリジナル栓抜き(「みしまサイダー」刻印入り)
・「八戸えんぶり手ぬぐい」(税込1,200円・350mm×920mm 綿100% 日本製)
【販売場所】
<2月中 てぬぐい単品に限り、3月以降も継続販売になりました>
・八食センター
・CHEESE DAY(八戸ポータルミュージアム はっち 2階)
<2/17〜20のえんぶり期間中>
・更上閣
・八戸えんぶり本部(市庁前テント)※「八戸えんぶり手ぬぐい」のみ販売
コメント3件
早速お返事ありがとうございました。
確かに抱き角?の紋に似てますね。
このような紋があるのも知りませんでした。
この機会に図書館に行って、
いろいろ調べてみようと思います。
そして、早くも来年のえんぶりが待ち遠しいです。
えんぶりが大好きで手拭いを購入した者です。
えんぶりの余韻と手拭いの素敵なデザインに惹かれ毎日見とれているのですが、荒谷のマークが何をモチーフにしているのか不思議です。どうしても知りたくてネットで調べているうちに、ここに辿り着きました。
もしご存知でしたらご教示いただきたいのですが…
よろしくお願いします。