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2017-06-01

今年も八幡馬


去年同様、今年もさんかく座で大久保直次郎さんが鉈の一刀彫で製作した八幡馬を販売させていただきます。

南部地方は昔から馬産地で、馬が生活に身近にあり、馬が愛されていたかたちの一つに、郷土玩具の八幡馬が残っています。
宮城県の木下駒、福島県の三春駒とならび日本三大駒に数えられています。

歴史的には、直次郎さんの「曾祖父重吉が十六才の(明治初年)のとき、八戸市笹子部落の【種池】の泥中から馬の恰好に似たものを発見し、それにヒントを得て製作したのが一般に発売紹介された最初である」とされ、それ以前のことはわからないようです。
そうして作られるようになった八幡馬は、市の郊外にある櫛引八幡宮の祭典(旧暦八月十四・十五日)に明治中期から境内で売られ、その習慣が現在まで続いています。

色は黒塗りがもともとだったようですが、その後朱塗りや白塗りなどが増えています。
模様の千代紙は、昔嫁婿の輿入れの際に、乗馬の盛装を表したもので、前と側面の点線は、馬鈴を表しています。


以前、直次郎さんの製作の様子を見学させていただいたことがありますが、大半は鉈で、木取り等の際にノミやノコギリなども使われています。
この道具で作らなければ自分の八幡馬とは言えない、と仰っていたこと、また、半農半Xの生活をされていますが、農民芸術と仰っていたことも印象的でした。

一般的には黒と赤の八幡馬が有名ですが、直次郎さんが製作される八幡馬には、他に白(口と横の手綱を表す線は紫)、無垢の模様無し、無垢の模様有り(口と横の線は青)の計5種類が存在します。
今回は黒と赤のほか、無垢の模様有りで、横の線を白にしていただいた特注品もさんかく座で販売させていただきます。

サイズもいろいろありますが、今回は黒・赤が3寸、4寸、5寸、無垢の模様有りが6寸で用意しました。
準備したのはこの分ですが、例えば無垢の5寸とか、今回用意したものに無いサイズやカラーのご希望があれば、お時間をいただきますが、お引き受けもさせていただきます。

私が販売させていただくにあたり、3寸〜5寸までの黒と赤の八幡馬については、オリジナルの箱にお入れします。
通常の箱は白く凹凸のある紙で仕上げていますが、黒い八幡馬には黒い箱を、赤い八幡馬には赤い箱を用意しました。

解説書も独自に印刷しました(モフルという、やさしい風合いのある紙に印刷しています)。

八幡馬のなかには、後頭部に写真のような傷があるものがあります。
これは、2体1対で長方形の木から木取りする際に、鋸で背中の部分に切り込みを入れた後で、後頭部が接する部分はドリルで穴を開けて切り離すのだそうで、そのドリルが、どうしても垂直じゃないので、片方にだけ傷が付くのだそう。
これも手作りのご愛嬌ということで、楽しんでいただきたいです。

おなかには、直次郎さんが製作した証が書かれています。
なお、八幡馬を持つ際はたてがみを持つようにしてください。
というのも、側面だと千代紙を素手でさわると汚れるし、たてがみは楔を打って留めているので、ちょっとやそっとじゃ抜けないからだそうです。

使う木材は基本的にはカツラの木で、今回も大半がカツラですが、2対ずつ用意した5寸の黒と赤が、1体ずつがヒバ、もい1体ずつがカツラになりました。
単純に、カツラで全てを揃えられなかったためだそうですが、それぞれで若干の違いがあります。
一番は木の乾燥時の伸縮による差で、カツラの方(写真左)が細く、ヒバの方(写真右)が太めで側面が丸みを帯びています。

裏返すと、カツラ(写真左)が赤みがあり、ヒバ(写真右)が白っぽいです。
もし購入の際に好みがありましたら仰ってください。
残っていれば、そちらをお渡しいたします。
なお、ヒバの方が固いので無垢の八幡馬もヒバです。
青森県はヒバも有名なので、ヒバの八幡馬も良いものですよ。

購入の際に、黒と赤を一体ずつセットで買うのもオススメします。
同じサイズで買うのも勿論良いですが、赤を黒よりもワンサイズ小さいのにして夫婦を表すことも、よくやられています。

補足で、車輪の付いた台に乗せて紐でひくような、子どものおもちゃに使われるなど、昔は八幡馬はもっと身近なものだったのだそうです。
1980年代でしたでしょうか、エリマキトカゲのおもちゃがはやりましたよね。あんな感じで、子ども達のおもちゃとして親しまれていたんでしょうね。
その台に乗せた八幡馬は、黒と赤をサイズ違いに乗せていますが、この場合は夫婦ではなく親子なのだそうです。

直次郎さん、偶然にも私の父親と同級生です。
老いてゆく父を見ると、今でも農業をしながらずっと八幡馬を製作されてきた直次郎さんはまだまだ元気で、年齢を考えると今でも製作を続けられているのはすごいことだと思っています。
ただ、八幡馬は、なかなか購入の機会が無いと思います。
鉈の一刀彫の製作者がただ一人といことを考えても、気になった時にご購入されることをオススメいたします。
是非この機会にいかがですか。

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