上海デザイン事情
上海の工業デザインについて、私が実際上海に行って感じたこと、考えたことです。
上海のデザイン事情ですが、実際はメディアが騒ぐほど良くないと感じました。
メディアは良いところしか伝えていない、とも言えます。
確かに至るところで工事をしており、どんどん近代的な建物が建っているので、上海はすごいスピードで変化していることを実感しました。
それだけ世間が注目している証ですし、街全体としてものすごいエネルギーを感じます。
しかし、ハード的なものはどんどん伸びているものの、ソフト的な部分では進んでいないと感じました。
器に対して、その中身の質とのギャップが激しすぎます。
ハードはすぐ作れても、ソフトを作り、それが定着するまでには時間がかかります。
また、物価についても正直とまどいました。
私は主におみやげを豫園(よえん)商場で購入しました。
そこは日本で言えば浅草あたりにあたると思います。
ここでは半端じゃなく安い値段でいろんなものを購入できます。(小さい小物入れの袋が200円くらい。)
そして、外国人が望む伝統的な中国もの、というようなものが多数あります。
それに対し、新天地では東京の青山にあってもいいようなお店が何件かありました。
そこにあるものの値段は、青山とかで買うのと同じくらいの値段です。
その2箇所を比べると、同じものでもその値段の差が大きすぎるという感があります。
もちろん、上海でもお金をたくさん稼ぎ、それらのものを購入する人もいると思いますが、それはきっとほんの一部の人間だと思います。
それを考えると、中国でこのようなお店を開くとき、その値段設定というのはマーケティング上で大変重要だと思いますし、そのターゲットが自分の商品をほしがるかというのは、他の地域よりもすごく難しいのではないかと考えました。
正直言って、世間はアジア、特に中国に注目していると思いますが、中国初のデザインはほとんど見受けられません。
なので、中国本土以外に海外にも支店を持ち、支店の方で「This Is Chinese Design!!」と外国の人に対してアピールする方がインパクトがあるような気がします。
また、Lapis Lazuli、Simply Life、jooi DESIGN、Shanghai TRIO、ANNABEL LEE、layefe HOME、上海灘(Shanghai Tang)、Lifeztoreなどが上海デザインの主な発信地だと思いますが、文具やテキスタイルなどが中心で、デザインで発展するにはまだまだ時間がかかると感じました。
上海や中国の歴史をくみ取りながら、それを現代風に解釈した製品が中国本土から本当に生まれるのも時間がかかるでしょう。
日本で言うユニクロや無印良品などの一般市民の底上げをするような店がある程度定着して、一般市民の美的感覚などが底上げされないと、新天地にあるような店もちょっとつらいのでは、そう思います。
いろいろ書きましたが、2008年・2010年には大きなイベントがあるので、それまでは確実に成長します。
しかし、中国のデザインが本物になるかどうかは、2010年以降にかかっている、それが今回の旅での結論です。
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新天地の様子。日本人観光客もたくさんいる。
こういう脇道の作り方とかも良い。ランドスケープとしても楽しめる。
新天地にあるsimply life。一階ではalessiの製品が中心にあり、2階にはモダンチャイナを感じさせる製品が数多くある。jooi DESIGNの製品もここで買える。
新天地にあるShanghai TRIOのお店。エリアの北側、外周沿いにあるので見落とさないように。
こちらは豫園商場。外国人が望む中国がここにはある。
豫園でたまたま見つけたアノニマスな鉛筆。地が緑で、黄緑色で木の葉のような模様がある。
ちょっとおしゃれ。
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上海デザイン関連リンク集
Simply life
Annabel Lee
jooi DESIGN
Shanghai Trio
layefe HOME
Three On The Bund
上海灘(Shanghai Tang)
Lifeztore
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