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2009-10-17

街がかわるとき

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十和田市現代美術館にSUMO AURA (相撲 オーラ) 展を見に行きました。


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何度行っても不思議な美術館です。
外と内の関係が絶妙です。
外から常設展示作品は丸見えなのに、でもちゃんとお金を払って見たくなる。
入り口がどこかちゃんと示していないし、内部も特に誘導するサインも無いのに、自然と誘導されている。
外から建物を見ても楽しいし、逆に外の景色や外から建物を見ている人が、建物の中からは絵になる。
逆もまた成立している。
でも、なぜだかわからないけど全てが良い感じだし、ゆるさもまた心地いい。
今回の展示でも、近くにある商店街を巻き込んで、作品展示場を商店街にも設けたり、商店街にスタンプを設置してスタンプラリーを行ったりし、町歩きも同時に行っています。
今回も、ラリーMAP片手に少し街を歩きました。
そして、スタンプを押すためとある商店に入りコーヒーを購入したところ、いろいろお話しを聞かせてくださいました。
お店の方は、60歳近くになるでしょうか、ご夫婦とその息子さんで切り盛りされています。
このような町歩き、実際効果がどんなものかわからなかったのですが、すごく効果があるのだそう。
むしろ美術館の方に感謝している、ともおっしゃいます。
というのも、商店街と美術館、それぞれが最近まで危機的状況だったのだそう。
商店街は郊外のショッピングセンターに客を取られ、美術館はそれまで美術館建設を進めてきた市長が今年3月に再選できず、反対意見の市長が当選したため存亡の危機にありました。
美術館も市民の意見そっちのけで出来ていたこともあり、街の人もわりと美術館に対しては冷ややかなところもあったのだとか。
なので、まずは美術館の職員やボランティアのスタッフの方が一生懸命働き、商店街を巻き込みながら美術館を楽しめるように企画を進めたと言います。
その職員の努力に商店街の人、街の人も刺激され、意識も変わっていきました。
そして、この町歩きに参加する商店も、回を重ねるにつれ参加店も増えてきており、今まで反対意見を言っていた人も、最近ではそういう意見もあまり聞かれなくなったのだそう。
奥さんは当時のことを、「マイナス(美術館の状況) × マイナス(商店街の状況) = プラス」と言います。
今は笑顔で言っていますが、本当に危機的だったのだそう。
でも、そのぐらいだからできたかも、とも言います。
お話ししていて、そのご夫婦は良いおとしなのに、考えがとても柔らかいことに気付きました。
「明治維新の時くらい、今は世界が一気に変わっているから、私達も変わらなければ」
ある程度の年齢になると、人は変化を恐れ安定した方向にいきたがる中、自分もこうありたい。
そう思いました。
ある街の、美術館を中心にしたある物語。
来春には美術館の屋外展示もオープンします。
町歩きも継続して、郊外型ショッピングセンターにはない、魅力的な街に育ってほしいし、自分も応援したい。
次回の来る時は、今回まわらなかったお店にも行ってみたいな。そう思いました。
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十和田は、B級グルメとして牛バラ焼きが有名。
今回現地のお店で初めて食べましたが、とーーーってもおいしゅうございました。

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