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2008-06-08

Design & Museum Link

Design & Museum Link
先週調べ物をしていたら、Design & Museum Linkなるサイトに出会いました。
この活動体、その名のとおり、日本にデザインの博物館を設立することを目的にしています。
冊子が出版されたそうなので、早速購入してみました。


デザインミュージアム、そういえば聞き覚えがありました。
昨年末に川崎市民ミュージアムで行われた「みんなのデザイン」展で行われた連動トーク、「デザイン・ミュージアムの未来に向けて」。
僕もこの貴重なトークを聞かせていただいたのですが、まさにその活動でした。
昨年末の展覧会から半年経っていますが、その半年間の時代の変化は早く、様々なことが起こっています。
原油価格高騰、食糧危機、チベット問題・国際社会の中での中国・・・
社会の変化が求められているのを感じます。
だからこそ、今デザインミュージアムの必要性を言うことは、感覚的にすぐ納得できました。
1970年代以降のいきすぎた経済成長第一主義。
これを変えなければいけない。
資本主義は必要だけれども、いきすぎちゃいけない。
もっとゆるやかなスローな社会に、ハイスピードで変革しなければいけない。
そのときに、デザインの価値を文化的な観点からも認めることは、デザインの消費、表層的なデザインの氾濫を減少させることにも寄与すると思われます。
そして、物を作る動物として、ものづくりのあり方について、根源的な部分を考える場にも成りうると思うのです。
ただ、で、具体的にどんなミュージアムと聞かれると難しい。
難しい。
どんなミュージアムがいいんでしょうね。
でも、やっぱりデザインは企業の経済活動から生まれるものですが、同時に文化を形成している重要な要素でもあるので、ミュージアムは必要だと思うのです。
さて、届いた冊子は2冊。創刊準備号と創刊号。
印象に残るのは、宇都宮美術館のキュレーター、橋本さんのデザイン鉄談2編。
マニアとキュレーターの狭間から、両方の視点で鉄道の博物館についての談義は熱いものがあります。
ハマることの素晴らしさを感じ、僕も何か特定のマニアになりたいと思うのです。
また、紫牟田さんの、21_21 DESIGN SIGHTでの深澤さんディレクションの「Chocolate」展と佐藤さんディレクションの「Water」展の比較による、プロダクトデザイナーとグラフィックデザイナーの指向性の違いについての論考が勉強になりました。
今後、専門性によるデザイン・アプローチ方法論の違いを意識して展覧会を見ると、また別な見方が出来るかもしれないと思いました。
デザインミュージアム設立に向けて、この冊子の中でもどんどん具体的な議論が報告されると、ワクワクしますね。

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コメント2件

  • 深川雅文 より:

    デザイン&ミュージアム・リンクの深川です。このたびは貴ブログでのご紹介ありがとうございました。「みんなのデザイン」展のトークにお出でになっていたのですね。そのときの貴ブログでのコメントを創刊号の小生のアンケートのまとめの文章で使わせていただきました。ありがとうございました。ご報告の順序が逆になって失礼いたしました。わたしたちを非常に勇気づけていただくコメントでした。ありがとうございます。今後ももわたしたちの活動を見守っていっていただければ幸いです。まずは、御礼まで。

  • Registered User より:

    >深川さま
    こちらこそ、どうもありがとうございました。
    私なんかの文章を使っていただきまして、大変嬉しいです。
    これからも、Design & Museum Linkの展開をとても楽しみにしております!

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