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2014-02-20

八戸活版部 時間外活動

先日、活版印刷での名刺制作のお手伝いをさせていただきました。

今回依頼をいただいたのは、最近東京から岩手県にUターンされた山下さん
建築関係からグラフィックデザインまで、幅広く関わられています。
昨年末に私も見に行った盛岡市でのIWATE DESIGN DAYで、二戸のプラム工芸さんと一緒に出展されていて出逢いました。

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12月中に一度武内印刷さんに一緒に伺って印刷の様子や設備等を見て、その後で私が名刺レイアウトのご提案をさせていただきました。
名刺に記載する情報が少なくて(日英の氏名、資格名、tel、メール)レイアウトに悩みましたが、少ないことを逆手にとって、罫線を使うことでバランスをとりました。

でも、このレイアウトを考えるまでも大変でしたが、その後の作業も印象深いものになりました。
というのも山下さん、東京在住時に活版のことを少し学ばれていたそうで、技術面での見る目が専門的で厳しい。
ただでさえ建築系の方は厳しい印象がありますが、武内さんもこんな細かい修正依頼は初めてという、直し指摘もありました。
特に印象的だったのは、文字間と文字のガタツキ。
1回目の校正刷りでは、名前の英字表記「YAMASHITA」の「SHT」の文字間が他よりも狭いという指摘。
言われてじっくり見れば確かにそうでした。
しかし、極細のスペーサーのような込め物が無いので、紙を挟むことで調整していただきました。
また、文字のガタツキも、「YAMASHITA」の「M」だけが下に下がっている、と。
確かにそうで、それも紙で調整。
文字間は、文字ごとに活字の幅もきまっているので、どうしても起こりうるもの。
ガタツキは、活字自体の精度だったりカタチがそうなので、これもある程度しょうがないもの。
ただ、普段Illustratorのようなパソコンソフトで自由に文字組が出来るのに慣れていたので、このようなことは新鮮で、かつ活版での美しい組み方の見方が自分にはまだ無かったことを知りました。
パソコンであれば、文字間を狭めることも、広げることも簡単です。
でも、活字は広げることはできても、狭めることはできません。
ガタツキも、活版印刷のアジと見るべきかどうか。
いずれにせよ、ただ活字を拾って並べれば終わりではなく、それで試しに刷ったものを見て、そのうえで文字間や文字のガタツキを調整するか、アジとして残すか等を考える必要もあるのだと学びました。

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ということで、校正刷りを2度お願いし、晴れて先日本刷りとなりました。
本刷りは、持参された花巻の手漉き和紙に印刷。
古民家鑑定士ということで、木造建築っぽく茶色で刷りました。
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刷る際にも発見がありました。
同じ色でも紙によって色の出方が異なるんです。
調合の段階で使用する紙で確認することができないので、最後は「うまくいってくれ!」と祈りながらGOサイン。
結果的に期待した色が出て、満足のいく仕上りになりました。
校正の時に細かい微調整に絶句もした武内さんですが、印刷を始めると、時々機械を止めては印圧やインクの量、さらには薄く出る文字の裏に紙を貼って印圧を整えるなどを数度行ってくださいました。
だから、最後の方に刷られたものは、最初とは全然違う仕上りに。
まさに職人魂。
最初の活字拾いを初めて挑戦させていただいたこともあり、活版印刷というものが、本当に職人技であり、作品を作るような大変なものだと気付きました。
だからこそ、仕上がったものには奥深い味わいがあるようにも思いました。

今回は、活版印刷の見方がわかる方からのご依頼で得るものも多く、大変貴重な経験をさせていただきました。
今後も、良いものが作れるように少しずつ私も努力してまいりますので、ぜひぜひたくさんの経験をさせていただきたく存じます。
ご依頼、ご相談、お待ちしております。
また、今回名刺を作らせていただいた山下さんも素敵な方です(もちろん、活版以外の面でもです)。
今なら素敵な活版印刷の名刺もお持ちですので、名刺欲しさでも何かあればご相談されてみてください。

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