昨日、台風による大雨の中、日帰りで静岡に行き、静岡市立芹沢銈介美術館を見てきました。
この美術館は、有名な登呂遺跡講演の敷地内の一隅にあります。 残念ながら、登呂遺跡とその博物館は、平成22年再オープンを目指し、建物を建て替えるなど施設自体のリニューアル中でした。 雨も降っていたので、ちょっと寂しい風景でした。 しとしとと雨の降る中、水たまりをよけながら歩いていると、弥生時代の竪穴式住居や樹木の中にとけこむように、美術館がありました。 美術館の設計は、日本建築史に名を残す建築家、白井晟一の設計です。 僕は、白井建築は初体験でした。 隣接する登呂遺跡との景観に配慮されたこの建物は、石や木、水などの天然素材で構成されています。 その空間は、これまで見てきた美術館の中でも、すごく印象に残るものでした。 別に、スケールが大きいわけでもないです。 でも、空間から受ける重厚感、弥生の時代と繋がっている現代空間のような、すごいドラマチックな印象を受けました。 芹沢銈介という、個人の作品やコレクションを展示する美術館ということ、隣が登呂遺跡ということが、この美術館の独自性を与えていると思います。 でも、空間体験をするためだけでも、もう一度行ってみたい、そんな建物でした。 展示していた芹沢のテキスタイル、コレクションのアイヌ、沖縄のテキスタイル。 これらを見ていると、現代よりもずっと豊かな造形表現が昔にはあったようにさえ思ってしまいます。 現在は、パソコンを使えば誰でも簡単にいろいろなものをつくれてしまいますが、だからこそ、どことなく均質な印象を受けてしまいます。 パソコンも無く、手で描いたり、アナログ的につくっていたものの不均一感が、すごく豊に感じました。 最近、ある書籍で、「19世紀は芸術の世紀」と書いてあったのを読みました。 20世紀が科学技術がめざましく進歩し、その反面、それまでの長い歴史を少し忘れてしまったならば、21世紀は、これまで長い歴史の中で培ってきた私たちの暮らしと、科学技術とを融合させていく時代なのかな、そんなことを考えました。
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