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2007-01-30

「暮しの手帖」の松浦さん

kurashi1
昨日、渋谷パルコパート1地下で行われた、「暮しの手帖」新編集長松浦弥太郎さんのトークイベントに行ってきました。


松浦さんと編集部の方の2名でのトークで、与えられたお題について松浦さんが答えるかたちで進みました。
要点は大きく二つ。
・編集長になるまでの秘話
・新編集長としてリニューアルするにあたり、考えたこと
もともとこのお話をいただいたとき、最後まで悩んでいたけれど、断ろうとしていたのだそうです。
それは、やはり編集者としての経験が無いということ。
でも、松浦さんはそのような理由で編集長のお話から逃げなかったわけです。
もし今「未経験」ということに対する恐怖心から逃げたなら、これからの自分の人生で、他のことに対しても逃げる癖がつくのではないか。
そう考えると、今までの自分の経験が、この仕事をするために積み上げてきたと思えるようになったのだそうです。
それで、編集長になることを決断されたのだそうです。
編集長として始められた時に、次のように考えられたそうです。
今あるものをガラッと変えるのはある種簡単だけど、その今の状態になるまでには長い時間がかかっているし、物事というのはそんなに簡単には変わらない。
だから、もし強引に変えると内部でひずみができたり破綻する部分が出たりと、何らかの犠牲が伴う。
だから、本当はやりたいことがたくさんあるけど、それを一気に出さない。
それでまずやったことが、「暮しの手帖」の秩序を並べ替えて整理することで、元々雑誌が持っていた魅力がよく見えてくるようにしたのだそうです。
松浦さんのお話は今回初めてうかがいましたが、やさしそうな外見とは裏腹に、強い意志と決断力があり、なおかつ人の気持ちがわかるすてきな方だと感じました。
「変わっていないように変える」というのは、すごい難しいことだと思います。
作り手と読み手の両方を客観的に考え、読者のためを一番に考える。
まだ少ししか読んでいませんが、お話を聞いて僕は納得しました。
リニューアル第1号は、変わっていないようだけど確実に変わっています。
でも、変わっていないような気もする。
でも、若い人も知ってる執筆者もいて、今の生活に直面している読者に必要な情報を、平等に扱っています。
この雑誌は、創刊以来広告が無い雑誌です。
それは今も続いています。
ですから、売れなければ売り上げは下がり、本を作ることはできなくなります。
伝えるには責任がある。
知ってほしい情報や、人に役に立つ情報じゃないといけない。
だから、責任を持って伝えてゆく。
松浦さんのことばが印象的でした。
次号も楽しみにして待ちたいと思います。
kurashi2

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